詩集 ハタチ

成人の日

長くも短くもない今日が終わっても
私は私のままであった

何を期待していたのだろう
人生に境界線などあるはずがない
日々すべてが通過点であり
今日はその一つにすぎなかった

年月は成熟を測る定規ではない
境界を信じる
悲しいまでに子供な「大人」たち
式場はひどい有様だったと聞いた

次代の担い手から目を背けた社会に
私たちは生まれた

少年は被害者であった
しかし、「大人」の称号をもらってしまえば
少年は加害者の仲間入りを果たす
社会を造るものは
その社会から生み出されるものに対し
否応なく加害者となる
だが、被害者であった時間も
受け継がれ
血肉化される
加害者も例外なく被害者なのだ

生まれ落ちた者は
終着点に向けて歩み続ける
その途上に境界などない
たとえ各々のベクトルに違いがあっても
生命の膨大なエネルギーに背を押され
進む者にあるのは
通過点のみ

成人の日
やはり、私は私でしかなかった