ひとひら
定規で引かれた冬の空気は
ほおに当たってシャリリンとはじけた
わずかに舞い散る粉雪が
視界を覆い尽くしている雪の原に
迷う事なく飛び込んでゆく
静寂すら吸い取って
立ちつくす私を責める
圧倒的な、白、白、白!
この純白の空間で
私だけが異質な存在
雪に拒絶されたのは
私がいつの間にか
汚れてしまったからだろう
純粋な美しさに
後ろめたさを感じるのは
懺悔するしなやかさを
見失ったせい
痛いのではなく疼くのだ
雪と同化できない心が
しくしくと疼くのだ
もう私には雪になる資格はないけれど
手のひらで溶けた小さな花びらの中に
確かに光を見たと思ったのだ
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