詩集 蒼い曇り硝子

白い世界

 雪が降り、君は独りになりたいと言った
 吐息も白い部屋の中
 音のない世界に君だけ

 空気は凍りついてピクリともせず
 窓も沈黙を保っている
 透明なガラスの中
 雪はただただ落ちてゆく

 君は独りになりたいと言った
 うずくまる君は震えているのに
 君は独りになりたいと言った
 疲れたようにうつむいて
 外も見ずに

 雪が積もり、君は…
 吐息も白い部屋の中
 音のない世界に君だけ