寒月夜(かんづくよ) 碧空に風波打つ 月が泣いている 満月に少し足りない溶けた楕円が 樹の枝に寄りかかり うつむいている 月の傍らで 枝先にしがみつく木の葉がいとおしい 必死な姿が、強さが うらやましい 風走り 月が落ちていく 青白く発光する町並みが 寒さに震えている 凍える町を覆う雪だけが暖かく 耳が痛くなるほどの静寂を やさしく包み込み、癒している 天空のよるべなき魂を待ちながら 風走り 月が落ちていく 銀の月と銀の雪 黎明にそれらが出会うまで 哀しい空に月は泣く
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1、蒼天 2、鈍色の町 3、時代〜全ての愚王に捧ぐ〜 4、思考停止プログラム 5、茅蜩 6、寒月夜 7、白い世界 8、仔鹿 9、泣きたくなったら