単発詩 冬空

冬空

私を責める
当然の権利を振りかざし
雪は高らかに笑っていた

塗り込められた空から
剥がれ落ちてくる
絶対正義の欠片

光でも闇でもない
どこまでも薄白んだ夜の始まり


縦に吹きつける風の前には
どんな言い訳も矮小であった
ブラウンシャーベットの
アスファルトの上
冷えきった情熱は
半端なまま色を失う

喉の手前で凍りついた
吐き出せぬ言葉が
どす黒く堆積していくのに
無力に甘んじるほど器用にはなれず
耳鳴りが和音となって駆け抜けた

茫洋

辿り着く先の見えない
この視界のどこかに
標の存在を確信していても
瞼の奥
とろとろと這い寄る不安

渦巻く雪が世界を切り離し
一人目を閉じて天と対峙する