神々の視線
おてんとう様が神様だった頃
この国では
たくさんの神々の眼が
人々を導いてきた
恵みを感謝し、祟りを畏れる心で
神々を感じる事が出来た
偉大な相手への恥ずかしさも
不可思議への恐怖も
人が本能で知っていた時代
謎が解き明かされるたび
徐々に薄れていった神々との絆
科学が人の心を支配し
すべてが数式化された現代
竜神も天狗も
あまたの魑魅魍魎さえも
ネオンの街には住めず
何処(いずこ)かへと去った
残ったのは人の心の闇に住む鬼だけ
神々の眼から「自由」になった人々から
さらさらさらさら
何かが
少しずつこぼれ落ちてゆく
神々の視線を見失った時代
僕らはどこへ行くのだろう
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