詩集 神々の視線

地雷〜Voiceless Screaming〜

 この国には沢山の地雷が埋まっている
 気づかぬうちにその数は増え続け
 人々はどこに埋まっているのか覚え切れなくなった

 大地に足が触れることすら脅える大人達は
 地雷を取り除こうとした
 だが、その数のあまりの多さに
 驚き、あきれ、恐れ、そして諦めた
 安全なアスファルトの上だけを歩けば良いではないか

 大人達は大地を危険地帯として扱った
 地雷が
 誰の手で作り出されたかを忘れ
 大地から目を背けた

 地雷は掘り出されるのを待っている
 爆発などしたくないから
 こんなにも待っているのに

 叫びなさい!
 ただ、踏まれて爆発する時に脅えるのではなく
 ここに埋められていると
 その危険を主張しなさい!

 一生踏まれずに土の中で朽ちていく地雷もあるだろう
 それが大部分かもしれない
 しかし、彼らは地雷以外の何者にもなれない
 踏まれる事に脅えながら
 黙って埋もれているだけ

 サミシイ涙で大地は黒く濡れて
 水たまりが街の片隅に出来ている

 沈黙の地雷が生まれた国